CHAPTER 01
水の都・松江の安全と憩いの創生、
その基礎を造る
東日本大震災の経験を踏まえ、全国的に防災に関わる法整備・施設整備が進められている昨今。島根県美術館では、エントランスロビーの天井をより安全性の高い構造に改修しています。鉄板を用いた「吊り天井」から、軽量で柔らかく且つ頑丈な素材を使った「膜天井」へ移行。改修後は、入館した際に見える景色が大きく変わります。
完成後は次の工事を担当する業者へバトンタッチし、堤防の建設がスタートします。完成後は市民が水辺の風景を眺めたり、ウォーキングやランニングなども楽しめる親水域の役割も備えた堤防になる予定。この地盤改良は、〝防災〟の機能を持つインフラとともに、〝水辺の憩いの場〟の基盤を造る工事でもあると言えるでしょう。
CHAPTER 02
3Dによる可視化で生産性を向上し、
近隣住民の安心にもつなげる
土中など不可視部分が多い土木工事。近年は生産性や安全性の向上のため、3Dで可視化するCIM(Construction Information Modeling / Management)の導入が進んでいます。今回の地盤改良では、図面、部材の寸法、作業工程などを集約した3Dデータを作成。地上からは目視できない土中の工事や、複雑な形状の部材などが映像で確認可能に。また、3Dデータを元に着工から完成までの動画を作成。現場周辺の住民の方々への説明などに活用しています。工程や完成図が2Dの図面より格段にわかりやすく、安全と信頼の担保に役立っています。
CHAPTER 03
デジタル化による生産性向上とともに、
守り続ける〝人のチカラ〟
松江土建は施工管理を担当し、掘削や杭打ちなど現場の作業は協力会社と連携して実施。3Dデータの導入によって打ち合わせや工程管理がスムーズになり、指示系統が細分化され安全性が向しました。作業ののスタートラインである調査から施工、完成後の維持管理までデータが引き継がれていくため、作業が簡素化され生産性も高まります。CIM化により効率化が進んでいますが、実際の工事に携わるのが〝人〟であることに変わりはありません。安全管理、進捗確認、健康状態の把握などのため、目視や日々のコミュニケーションを大切にしています。